(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2422)
『外国産輸入米の実質的な関税率は778%』は、まったくに根拠のない数値でもないのですが、実態は
「778%という数字のみが一人歩きをしている」というのが現状における事実です。
ウルグアイ・ラウンド交渉における(農業品目・輸入制限⇒関税化)が行われた際、日本国内のコメの卸売価格と当時の平均輸入価格の差額を関税率(差額関税)とすることが決定されました。
この時は、国内消費用(主食用)の輸入実績はなくて、タイ産の(加工用米)の輸入米で60kgを2万円の関税を算定し、この時の平均輸入価格で換算計算すると(778%)となり、この数値が現在も使われています。 農林水産省を始め、我が国政府としては(従価税率=%)は正規に発表してはいません。
・コメの品種として、大きく分けて(長粒種=インディカ米)と(短粒種=ジャポニカ米)があります。日本で栽培され、私達の主食としているのは(短粒種=ジャポニカ米)です。
・1995年当時の大きく品種の違う間における数値を、現状の外国産輸入米にも流用して議論することは大きな無理があります。
・(短粒種=ジャポニカ米)というと、”日本産のコメ”と(原産地)と勘違いをしやすいのですが、あくまで、コメの品種の違いであって、現状は、我々が日常に食べるジャポニカ米は世界の各国で栽培されています。
・
MA米(ミニマム・アクセス米)として、毎年77万トンが、海外から輸入されていますが、そのほとんどが(短粒種=ジャポニカ米)です。
・アメリカ :49%
・オーストラリア:12%
・中国 :12%
・タイ :22%
・ベトナム : 5%
・タイ、ベトナムからは一部の(長粒種=インディカ米)もありますが、大半が、日本国産米と同の(ジャポニカ米)であり、その代表はアメリカからの
「カルフォルニア産・コシヒカリ」です。
☆ 50才代以上の多くの人達は、(外国産輸入米)と言えば、ピラフ(焼き飯)等に使用されてい長粒種=インディカ米のパサパサとした、我々の食感に相容れないものとの意識が残っているのですが、現状における(外国産輸入米)は、(国内産米)と、何らの相違はありませんし、品質・味覚的にも国産米以上の(ジャポニカ米)の栽培への切替が、タイやベトナムで拡大しています。
・我が国からも、中国や台湾、香港への(国産米の輸出)が拡大していますが、品質・味覚というよりも(Made in Japan)という”ブランド力”によるものと感じます。
・「(日本のコメ)は、汗水流して、繊細な栽培によって初めて収穫できるものである。」と言うのは、現状においては通用しないでしょう・・。その多くが、兼業農家で、政府補助金を受けながらの
”週末農業”で栽培・収穫された国産のコメが、(外国産輸入ジャポニカ米)に勝ちうる理由はどこにも見当たらないと感じませんか?
・アメリカやオーストラリアの(大規模・粗放農業)ならば、いざ知らず、タイやベトナムの農家の美味しいジャポニカ米を栽培して、日本に売り込もうとする”本気度!”は本物です。
我が国の「食管制度」及び、「国土保全」の”原点からの見直し”が迫られています。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木
次号は、「MA米=ミニマム・アクセス米」の詳細をアップ予定です。)