(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2408)
今回の通関士試験、実務・輸入申告書に組み込まれていた『口銭』の扱いについて
今だ”納得がいかない・・”という受験者も多いようですね。
と言うより、『口銭(こうせん)』という語句に対して(初対面!??)の多くの
受験者がいる事実に少なからず驚きました。
貿易業界では、ごく普通に日常的に使用される語句であり、「商社」のなりわいは、
この(口銭)によって成り立っているのであり、鉄鋼業界や自動車業界では、一般的
に会計伝票の中で行き交う語句です。
試験問題作成者が、"あえて=意図的に”この語句を使用したのか、貿易用語として
策略無しに自然に使用したのか? その意図はわかりません。
『口銭・(こうせん)、(くちせん)』は、英語に直せば、Commission(コミション)
インボイスや契約書の中では、PercentageやBrokerage、あるいは、(フィー)や
(インセンティブ)という言葉で表示されることもありますね。
『口銭』という言葉自体は、江戸時代以前から我が国の商いで使用されてきたとても古
い言葉であることには間違いなく、グローバル化する経済の国際化の現状においては、
Commission(手数料)という語句に一元化されるのも近いとは感じます。
2~3日前にこのブログ上で、この『口銭』は、(売手帰属収益)として加算、とい
う表現をしましたが、正しくは、業界で
『外口銭(そとこうせん)』と呼ばれている、
仕入書価格とは別途に買手により売手に支払われる「現実支払価格の別払金」
と呼ぶのが正しい表現と思われます。
☆ いずれにしても、
今回の『口銭』は(現実支払価格)を構成する要素であり、加算
された額が「課税価格」となる。という内容以外の要素は、僕には考えられません。
※”加算しなかった”受験生の言い分も、読みましたが、(非加算であって欲しい・・)と
いう感情の刷り込みからくる問題点の拾い出しで、冷静に解釈すれば、明らかに加算
要素であることを理解できるはずです。
(参考)
・「外口銭(そとこうせん)」:仕入書価格とは別途に支払われる売手手数料
・「内口銭(うちこうせん)」:売手手数料が仕入書価格に含まれている
・「眠り口銭(ねむりこうせん」
:直接には個別の取引には関係していないが、取引の
都度、一定の手数料が入ってくるような契約。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木