(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2468)
我が国の「保護関税」の考え方を理解しやすい例として(タマネギ)があります。
第7類 食用の野菜、根及び塊茎
07.03 タマネギ、シャロット、にんにく、リーキその他のネギ属の野菜
(生鮮のもの及び冷蔵したものに限る。)
1 たまねぎ
0703.10-011 ー課税価格が1キログラムにつき67円以下のもの
(暫定税率:8.5%)
0703.10-012ー課税価格が1キログラムにつき67円を超え73円70銭以下のもの
(暫定税率:73.70円-課税価格)
0703.01-013ー課税価格が1キログラムにつき73円70銭を超えるもの
(暫定税率:無税)
(アセアンを主とする各(EPA税率)においては、これに加えての「従価/従量・選択
税率」が適用されています。)
※ 輸入たまねぎの輸入価格=課税価格が安いほど、高額な調整金としての関税(額)と
なっています。
この「たまねぎ」も、記述式解答の時代に出題されたことがあります。要は、仕入書
のタマネギの(1キログラム当たりの課税価格)を計算して出さないことには、「実行
関税率番号」を決定することができません。
「課税価格の総額」÷〔(@パッケージ当たりの内容重量)× (総パッケージ数)〕と
「キログラム当たりの課税価格」を算出するまでの(算数)も”時間食い!”です。
日本に限らず、多くの国が、自国の農林水産業に対する(保護政策)をとっています。
しかし、米国など(農家への直接補助政策)をとる国々が大半なのに対して、日本の
場合は、(関税の課税による”消費者負担)という政策です。
国際競争力が弱く、国際市場価格と大きな差のある高額の国産農林水産物を海外から
の(安価な輸入農林水産物)の流入から守るために、高額な関税が課せられています。
・先進国である我が国が、(高率な関税)を課している。という事実をできるだけ具体
的な数字(従価税率=%)で表現したくない。
・(国産市場価格)と(安価輸入価格)とを効果的にカバーできるような課税率
の二つの観点から、農林水産物にたいしては、(従価/従量・選択、併課税率)とか、
(季節関税)や、(差額関税)などの複雑な税率設定になっています。
(参考)
米国は、世界最大の(農業国であり、農産物輸出国)です。
米国の(綿花=コットン)生産農家に対する「直接補助金」は、世界の(綿花価格)を
大幅に下げ、綿花の適正な国際価格を阻害している。と、綿花産業、綿花の輸出を狙う
ブラジルやアフリカ諸国と、陰険な関係に陥っています。
(TPP交渉)の結果によって、日本がこれまでとってきた(自国農林水産保護)に
係る、これらの複雑な関税率制度を止めて(農家直接補助)に切り替えるか、あるいは
今まで以上に(複雑な関税率制度・・)に走るか? 秒読み段階です。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木