(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2436)
現在は
「”輸出立国”としての日本のターニング・ポイント」です。感銘を受けた記事がありますので下記、転記します。
(記事:飯田健雄 多摩大学教授 (貿易と関税)2013/03)
重厚長大産業は、鉄鋼、化学、重電、造船、素材などの装置産業を示し、1990年代には、
IT企業に象徴される軽薄短小産業と比較され、”オールド・エコノミー”・”斜陽産業”と揶揄された時期があった。しかし、企業内部での不採算部門のリストラ、業界再編、そして東アジア域
の需要の高まりを受けて、さらには、オーストラリア、ロシア、ブラジル、アメリカなどの資源国も資源開発のパートナーとして、日本の重厚長大産業は復活した。
重厚長大産業の際躍進には、生産技術の向上があったことも見逃してはいけない時事で
ある。さらに、「インフラ輸出」の関連で言えば、
”鉄鋼、造船、重電、化学、素材などの個別産
業がコンソーシアムを組んで、事業化邁進していることである”
これらの業界は軽薄短小の象徴と言われた家電メーカーと違って事業の組み合わせが可
能であり、シナジー効果という範囲の経済が成り立つ。
2010年代に入り、日本のICT関連のビジネスが激しい国際競争にさらされながら、日立・
東芝・がどうにか利益を出している一方で、パナソニック、ソニー、NEC、富士通が赤字に
苦しんでいる姿がそれを象徴化している。
ここには、単なるコモディティ化された製品輸出ではない、また価格競争に陥らない、技術
の複雑性を兼ね備えた巨大システムとそのソフトの輸出が貢献しているからだろう。
換言すれば、
「社会インフラ構築という特殊性にあって、モジュール化を許さないシステム・
ネットワークの産業群が優位に立つわけだ」
特に、日本でも「コンビナート・ルネサンス」と言って効率の良いプラント建設が進んでいる。
資源開発によりよい効率性のあるプラントを望む国々に、この石油精製技術・石油化学技術
の粋を集めインフラ輸出も現実化している。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木