(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2420)
我が国は、天然ガスの産業量的な量では産出しませんし、島国ですから諸外国のように、
「ガス・パイプライン」によって輸入することはできません。このため、日本のエネルギー
資源に占める天然ガスの割合は、わずか1%に過ぎませんでした。
その後、天然ガスの液化技術が開発され、液化天然ガス=LNGとして、45度上昇カーブ
の増加で、日本は輸入量を拡大させてきました。現在、世界で生産されるLNGの50%
近くを日本が輸入しています。
地下から採掘された天然ガスをマイナス162℃に冷却し、体積が600分の1にする
”液化=冷却”及び、”LNG運搬”の技術が日本に蓄積されています。
『次世代型LNG運搬船(さやえんどう)・三菱重工』
三菱重工は、昨年末より『さやえんどう型』とのニックネームで呼ばれる”次世代型の
LNG運搬船の建造を開始しており、現在の累計受注隻数は5隻であるが、今後の受注増
が期待される。4基の球形液化天然ガスタンクが並んでタンクカバーに収まっている様子
が(さやえんどう豆)の姿ににていることからのニックネーム。
このLNG運搬船=「EXTREM」は、長さ:288m、幅:49m、満水喫水:11
m、総トン数:13万8000トン(積載重量トン:7万5000トン)、航海速度:19
.5ノット、タンク総容量:15万5000立方メートルとなっている。
この新型『さやえんどう型LNG運搬船』は、MOS方式と呼ばれる球形の液化ガスのタ
ンク4基と船体とを一体構造の連続タンクカバーで覆うことにより、船全体の強度を確保
しながら、軽量化を実現。さらに航行中の風圧による抵抗を大幅に減少する。
また、船の航行動力となる主機関には、新型の蒸気を臨界圧蒸気タービンを採用。
(MHI Urtra Steam Turbine Plant) UST=再熱船舶用推進蒸気タービン)
燃費は、従来船比:20%以上の低減を可能としている。
『さやえんどう型)=連続タンクカバーの採用により、タンク頂上での配管、電線、通
路を支える複雑な構造物も不要になるため、メンテナンス性も大きく向上。また燃費低減
によるCO2(二酸化炭素)排出量の抑圧に加え、バラスト水処理装置の搭載による海洋
生態系への影響軽減など、環境対応力を高めている。
現在、国際海上輸送においても”省エネ”・”地球温暖化抑制”に向けた取り組みが強
く求められており、LNGの(極低温運送技術)に加えて、高付加価値船として位置付け
ている。
(記事参考:三菱重工・Press Infomation No.5294)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木