(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3076)
平成23年度の法令改正の目玉として、「関税暫定措置法・特恵関税制度」に係る
大幅な法令改正があるが、本試験問題として注意しなくてはいけないのは、”裏”に
ある
『EPA(経済連携協定)』ではないか?との内容をすでにアップ済みです。
僕としては、なぜか? 同じ関税暫定措置法の(特恵関税の裏にあるEPA)が気に
なります・・。
この『EPA(経済連携協定)』に関して、
【MFN逆転現象】という意味がわかるでしょうか?
「EPA(経済連携協定)」とは? 経済全域に渡る関係強化を目標とし、(相互間での
関税撤廃)などを具体策とする2国。地域間の経済連携協定です。
相手国との協定によって、(即・関税撤廃)・(段階的関税率の削減)など、その運用
は様々ですが、締結国・地域からの輸入品に関し、締結前までの適用関税率より原
則として軽減されます。
「MFN逆転現象」とは? 特定品目においてMFN税率=最恵国税率(協定税率))よ
EPA税率が高くなることを言います。これでは(EPA(経済連携協定)を締結したメリッ
ト(便益)が生じない=意味がない。ことになります。
今年の2月16日に署名された「日・インドEPA」においては、この問題点の対策が
とられており、「MFN税率」が「EPA税率」より低い場合、「MFN税率」を「EPA税率」
として適用するという内容です。
この(インド)と同様な防止策を講じているEPAは、(ブルネイ)、(インドネシア)、(べ
トナム)、(スイス)とのEPA=経済連携協定です。
一方、それ以前に経済連携協定を締結した(シンガポール)、(メキシコ)、(マレー
シア)、(タイ)、(チリ)、(フィリピン)、及び、(AJCEP=日・アセアン包括経済連携
協定)においては、上記のような規定はなく、
『MFN逆転現象』が生じる品目もあり
ます。
つまり、わざわざ「EPA原産地証明書」を取得して、「EPA税率」を適用して輸入納税
申告したほうが、反対に納付すべき”関税額が高くなる”ことになります。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木