(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1978)
戦後の日本を支え”日本の基幹産業”と言われてきた=我国の鉄鋼産業。
日本の2大鉄鋼メーカーである(新日鉄)と(JFE)が、2011年3月期の連結計上利益を
それぞれ300億円と500億円の下方修正をした。
(下方修正=思うほど利益が伸びない)の要因の一つが
”資源高”。両社とも11年の
1~3月期の(原料価格)は2010年10~12月の横ばいと想定していたが、
新興国での
の旺盛な需要もあり、資源メジャーとの価格交渉では鉄鉱石と原料炭の値上げを
のまされた。追い討ちをかけたのが、原料石炭の世界有数産地であるオーストラリアの洪水。
JFEでは、カナダ、ロシアからの代替石炭確保に170億円が消えた。
両社とも、2007年3月期の計上利益:(6000億円)・(5000億円)の半分の3000億円
にも収益回復に至っていない・・・。
『神戸製鋼が鉄鋼原料プロジェクトを受注、鉄鋼資源の安定調達をにらむ』
神戸製鋼所は先月29日、資源メジャーと呼ばれるブラジルの資源大手「ヴァーレ」が
中東のオーマンで進める鉄鋼原材料生産プロジェクトを受注したことを明らかにした。
粉状の鉄鉱石を固形化し、鉄鋼原料に仕上げる神戸製鋼の独自技術をヴァーレが活用
し、今年からの稼動開始を目指す。
(鉄鋼業界)をめぐっては、新興国の需要の拡大と資源メジャーの独占化が進み、世界
的な争奪戦が激しさを増している。そこで鉄鋼各社は原料の安定確保を図るため、未利
用鉄鋼資源の資源化に乗り出している。
低迷する日本の鉄鋼業界と急拡大する新興国の鉄鋼産業。
これまでつちかってきた日本鉄鋼産業のノウハウを提供=業務提携(アライアンス)する
ことで、日本の鉄鋼業界は、新興国の躍進とともに歩もうとしている。
まさに、
『かつてのライバルは、明日の友』とする迫られた方向転換である。
現状までの量的・金額的な競争ではなく、日本の持つ”先端技術の提供・業務提携”が、
21世紀の日本の海外市場開拓の”有力手段”として期待されるとも思える・・・。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木