(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1956)
『通貨高抑制へ、苦肉の資本規制 アジアで導入加速、効果限定的』
韓国などアジアを中心とした国・地域で、投機資金の急激な流入を防ぐ資本規制を
導入する動きが加速している。
輸出競争力をそぐ自国通貨高を抑えるのが狙いで、海外投資家への課税強化が柱。
市場原理をゆがめるとしてタブー視された資本規制が、国際金融界で認知度を高め
つつあることが浮かび上がった。ただ、通貨高阻止の効果は限定的にとどまっている。
高度成長を続けるアジア、中南米諸国の証券、不動産市場には投機資金が流入し、
通貨高を招来。輸出競争力を弱めると同時に、資産価格の高騰を通じてインフレ懸念
が台頭している。資本規制は、こうした懸念に対応するのが目的。
英国系のバークレイズ・キャピタル証券などによると:
○ 韓国銀行(中央銀行)は6月に国内為替デリバティブ(金融派生商品)取引の持高
に一部制限を設けた。
さらに、海外投資家が債権投資で得る利益に源泉徴収課税する案を検討中だ。
○ タイは外国人による新規の債権投資の利益に対する源泉徴収課税の免除措置
を廃止。
○ インドネシア、台湾も債権投資に関連した規制を導入済み。インドも同様の措置
を検討している。
○ ブラジルは海外投資家に対する金融取引税率を10月に引き上げたのに加え、
残存期間が最低4年のインフラ関連の債権にのみ源泉課税を免除する方針。
○ 中国は、人民元の変動幅を政府が管理する管理変動相場制をとっている。
これら発展途上国の一連の措置にもかかわらず、過去1年の間、対ドルで、
(タイ・バーツ)は約9%、(インドネシア・ルピア)は約4%、ブラジル・レアル)は
約3%上昇。投機資金の流入加速を裏付けており、専門家は
「資本規制で為替
相場を反落させるのは困難」とみている。
(※) 「自国通貨高」は、我が国で言えば=(円高)になることで:
○ (輸入)にはプラスに働きますが、(輸出)には、マイナス要因となります。
(記事:SankeiBiz 2010/12/30)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木