『通関士試験 通関実務科目ー「課税価格の計算問題」』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4248)
通関士試験・通関実務科目での
「課税価格決定の計算問題」が、「得意で好きである」とする受験者もいないとは思いますが、理想的には”得意で、好きになって欲しい分野”です。
と言うのが、「税関」の現状の役割として”税の徴収・水際取締り・貿易手続きの敏速・合理化”という三大要素がありますが、
税関の本来の位置づけは
「税の徴収機関」です。こ意味において、『適正な課税価格の算出能力』は、”通関士試験合格者の絶対不可欠条件”であり、ラフな表現が許されるならば、この基礎能力が欠ける受験者はお呼びでない世界です。
なぜなら、
「通関士」とは、法令条文の解釈を判断するに留まらず、顧客の依頼に基づき具体的に「納税申告」を代理することを業務とすることを主業務としているからです。この通関士試験の主旨を具体的に理解できていない受験者が多いようにも感じています。
一方の「輸入貨物の所属区分」に係る問題は、内容によっては、対処が極めて困難で、並の商品知識では解答に結びつかない可能性が極めて高い分野であるだけに、この計算問題の正解率が合否に大きく影響します。
それに対して「課税価格の計算問題」は”算数の世界”ですから、規定に基づく内容を規定通りに算数を行えば、きっちりと正解が出る分野です。
『課税価格決定の計算』は;【課税価格】=「現実支払価格」+(加算要素)-(控除費用)設問(輸入貨物の輸入取引の内容により買手が負担する費用の額)を
、「足す(+)か?、引くか(-)か?、無視(0)するか?」の単純な足し算・引き算の世界と言えます。
ただし、近年の試験問題内容においては、上記の(+、-、0)に加えて
、「どれだけの割合で、どれだけの負担で?」という
按分、分割という
「掛算(×)と割算(÷)=%」の複雑な取引内容が組み込まれている出題が一般的となってきました。
各、設定内容を判読し、「いくらの割合・負担(%)=(×、÷)での額を、足す(+)か、引くか(-)、無視(0)するか?」
「問題設定」を迅速に読み取り、法令規定との対比で判断し、課税価格算出への数式を適正に素早く組立、正確に計算する。
「法令規定の暗記・理解」に加え、⇒設問の
”読解”⇒数式の組立て⇒適正な計算という、わずか数分間という限られた許容解答時間内での一連の処理が必要です。
☆
単純に関税定率法第4条における課税価格の決定方法の規定を読み込んでいくという受験対策ではなく、「具体的な出題内容を把握」することによって
、”どの部分が、どういう表現によって出題されるのか?"を身に付けながら、許容時間内での解答を出すという”実演習”が強く求められる出題分野です。このことは、マスターすれば、確実に得点に繋がる箇所であるともいえます。
各年の合格者の特徴として、、この「通関実務科目・計算問題」においての正解率が高いことがあげられます。blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木