(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3196)
『モントリオール議定書』
1987年採択。オゾン層を破壊する物質の生産・使用量の段階的削減を先進国と途上国の両方に義務付けている。オゾン層を破壊しないとするHFC(代替フロン)は規制対象外であったが、途上国でも利用が急増しているため、2015年から世界全体での生産・消費規制を目指して締約会合などで議論を続けてきた。
『(代替えフロン)85%削減、先進国2036年目標・・大筋合意』
フロン類を規制する「モントリオール議定書」の締約国会合は10月15日に議定書を改訂し、地球温暖化につながる温室効果が強力な代替えフロン「ハイドロフルオロカーボン(HFC)」の生産規制に乗り出すことで大筋合意した。日本を含む先進国は、2036年までに2011~2013年の年平均に比べ85%削減する。
締約国会合は今月の10日からルワンダの首都キガリで開かれていた。交渉筋によると、代替フロン(HFC)の生産量は、中国など大半の途上国で2024年をピークに段階的に減らし、2045年までに20~22年の年平均に比べ80%削減。インドや湾岸諸国などでは28年をピークに、47年までに24~26年の年平均に比べ85%減らす。途上国での削減目標に先進国と比べ猶予を設けたのは、HFCに代る物質の開発と普及に時間がかかるためという。
☆
代替フロン(HFC)は、太陽からの有害な紫外線を吸収する上空10~15キロにあるオゾン層を破壊しないが、二酸化炭素(CO2)の100~1万倍以上もの温室効果がある物質。2000年以降にオゾン層を破壊するフロンからの切り替えが進み、冷蔵庫やエアコンなどの冷却ガスなどに使われている。日本での排出量2014年が3580万トンで、10年前の約3倍に増えている。
代替フロン(HFC)を巡っては、今年5月の伊勢志摩サミットで主要7カ国が議定書の年内改訂を目指すことで合意していた。しかし、途上国でも普及しており、切替えに多額の費用がかかることが懸念されたため、合意に向けた調整が難航していた。
環境省は、温室効果の低いフロン類の使用や、アンモニアなど別の冷媒を使うことなどを製造業者に求めている。HFCの代わりとなる冷媒の開発に補助費を拠出。さらに法改正を含め対応を検討する。
(記事:久野華代 氏 毎日新聞 2016/10/15)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木